【生産者インタビュー③】とびっきりおいしいお米とお餅を作ってます!-コアラファーム 小原さん-

さて、今回は以前ご紹介した「おかやまおひさまファーム」の斎藤さんが、インタビュー内で「おすすめしたい」とおっしゃっていた「コアラファーム」の小原さんにお話を伺いました!コアラファームさんは、温暖で穏やかな風土の岡山県倉敷市で、とびっきりの特別栽培米と杵つきのお餅を作っている農家さんです。お米農家さんなのに「コアラ」?「特別栽培米」って何?聞きたいことがたくさんあります!早速、小原さんのお話を伺ってみましょう!

「コアラファーム」さんはお米農家さんです!


お米とお餅を作ってます!
-コアラファームさんではどんなものを作られているのですか?また、「コアラファーム」というかわいい名前の由来も教えてください
うちの生産物はお米ともち米で、豆餅用に黒豆も少量栽培しています。6ヘクタールの畑で栽培しているお米の3分の1がもち米です。主要品種は「ひのひかり」「きぬむすめ」「朝日米」「ひよくもち(もち米)」です。ひのひかりは小粒で粘りが強く、甘味や食感があります。朝日米は大粒で、さっぱりめの味わいです。きぬむすめは粒が中~小粒で、旨味と粘りのバランスが良く、冷めてもおいしいのが特徴です。ひよくもちは旨味が強く、コシのある餅に仕上がります。ひよくもちでお餅を作り、それも販売しています。
ファームの名前については、主人の名前が「小原(こはら)」で「コアラ」というあだ名で呼ばれていたことから、「コアラファーム」と名付けました。

-コアラファームさんのお米作りへのこだわりや、他と違う点などがあれば教えてください

うちのお米は、うるち米ももち米も「特別栽培」といって、農薬と化学肥料をほとんど使わない栽培法で作っています。例えば、きぬむすめに関していうと、農薬は9割減、化学肥料も6割減という栽培をしています。肥料は発酵鶏糞などを使っています。虫も、田んぼで一緒に生活していますよ。

-お餅はどのくらいの頻度で作っているのですか?またコアラファームさんのお餅の特徴を教えてください
お餅は週5日、火曜から土曜まで毎朝製造し、その日の午前中に倉敷方面と岡山方面に分けて配達しているため、出来たてを当日中にお届けしています。ただ、夏場は気温の影響でつきたての餅は扱わず、真空パックにしたものを週2日だけ製造・配達しています。
うちのお餅は、もち米を特別栽培で一貫して生産し、さらに自社で餅に加工しているため、素材から手作りの安心・安全な餅です。杵つきの機械でつくので、粘りやコシが強く、食感も良いのが特徴です。特別栽培のもち米は甘み・旨味・粘りがありおいしいのですが、虫がつきやすく収量が安定しにくいため、生産する農家は少ないように思います。

山小屋の料理担当、テレビ制作、そして…米農家!?小原さんの気になる経歴!


国内外で様々な体験をして、今の小原さんがあるんですね!
-小原さんはどんな人?
そうですね、周囲からは行動力があると言われることが多かったです。自分では「やりたいことはやる!」というタイプだと思っています。自然と関わりながら体を動かし、ものを作る農業の仕事は、日々同じことの繰り返しではなく、一年を通して変化があり楽しく、自分に合っていると思います。

-農業を始めたきっかけを教えてください
結婚を機に、農家である夫の家業を受け継ぐ形で農業に従事するようになったことがきっかけです。

-農業を始める前は意外なところでお仕事をされていたと伺いましたが…?
はい、中学・高校と山岳部で山に親しんだことがきっかけで、山小屋で働くことに憧れていました。しかし、山小屋で生活するだけだと世界が広がらないと思い、東京で5年ほどテレビ制作の仕事をしていました。そこでの過酷な労働環境と都会での生活を経て、改めて山小屋での生活に戻る決意をし、北アルプスの山小屋で料理担当として働き始めました。山小屋では限りある素材を工夫して調理する必要があるのですが、その中で料理の楽しさを知りました。山小屋は冬季はシーズンオフなので、その間に海外へ渡り、イタリアの家庭料理を学んだり、タイの料理学校の短期プログラムに参加したりするなど、さまざまな地で料理を学びました。その山小屋で働いていたときに夫と出会い、結婚して倉敷の農家で農業をしています。

-仕事の中で特に好きな瞬間はありますか?
汚れた格好で農作業をする時もあり、清潔な格好で餅を作る時もあり、商品開発に取り組む時もあったりと、多様な仕事を一年を通して経験できるので、それぞれの瞬間が好きですね。

-農業を続けてきた理由は何ですか?
仕事が暮らしと直結していて、農業の中に私たちの生活があり、自然に暮らせる点に魅力を感じています。また、私たちが作ったものを食べてもらって「おいしかった」「いつも買っているよ」と言われる喜びや、自分や家族が敷地の畑で採れた新鮮なものを毎日食べて暮らせることにも、大きな魅力を感じています。

コアラファームさんは、お米やお餅を作っているだけではない!?実は…先生もやっています!


コアラファームさんのたんぼ -HPより
-コアラファームさんのスタッフのお話を聞かせてください
作業は主に家族3名(社長である夫、社長の父親、小原さん)で米作りを行っています。餅の製造には従業員3名がおり、配達や製造を担当しています。繁忙期には、さらに7~8名のアルバイトが1週間程度来る形で体制を整えています。従業員の採用は、主に地域や仕事を介したつながりが中心です。

-栽培から出荷までで特に手間がかかるのは何ですか?

コアラファームさんのたんぼ -HPより
そうですね、重い苗箱の運搬と、それを田んぼへ並べる作業です。この時期は田んぼがぬかるんで作業がしにくいため、特に大変です。また、除草剤は植え付け時にほんの少量のみ使用するため、夏場の草取りも手間がかかります。

-小学校で稲作や餅つきの授業をされていると伺いました
はい、夫が近所の小学校で稲作の指導をしています。もともと近所の小学校で稲作指導を担当していた方が、「自分は高齢なので引き継いでほしい」と声をかけてくださったことをきっかけに、田植え・稲刈り・餅つきなどの指導を始めました。学校側の積極的な協力もあり、10年ほど継続しています。この学校では全校生徒が参加する点が特徴で、1年生から順に半日かけて田植えや稲刈り、餅つきを体験し、6年間を通して米づくりに携わります。植える・収穫する・食べるまでを一通り体験します。田んぼのぬかるみの感触や稲の香りなど、五感を刺激する体験をしてほしいと思っています。子どもたちからは「虫や泥が嫌だ」「意外と楽しい」などの率直な感想が寄せられ、出来たてのお餅を食べた際には「お餅、最高にうまい」と毎年好評です。手作りの感謝状などをもらうこともあり、それがとてもうれしいです。

-海外の方向けのお料理教室をされているそうですね
海外の方向けの料理教室は、もともと個人的にやりたかったことです。私自身、海外で家庭料理や現地の味を学んだ際、その体験が非常に楽しかったこともあり、ぜひ日本のおいしいお米を使った教室を自宅で再現したいと考えていました。現在は自宅キッチンで参加者と一緒に料理を作る形式で進めており、先日は若い外国人カップルが「おにぎりコース」を選んで訪れ、一緒におにぎりを握り、魚を焼き、だし巻き卵やみそ汁を作るなど、「コアラファームのキッチン体験」を楽しんでもらえました。教室を通して「このお米がおいしい」ということを体験してほしく、また日本の人々の暮らしぶりを実際に見て感じてもらいたいと考えています。最終的に参加者に「楽しかった」と言って帰ってもらい、私たちも感謝と楽しさを共有できればと思っています。

-地域の農家さんやご近所さんと交流はありますか?
ご近所の方や農家さんとの交流はあります。年末の餅製造の繁忙期には、地元の桃農家さんが手伝いに来てくれることもあります。また、「おかやま農業女子」に所属していることで、桃やブドウなど別の作物を栽培するさまざまな農家さんと知り合う機会も多いです。農業を始めてから岡山の桃やブドウのおいしさを知り、毎年多くの農家が非常においしい果物を作り続けていることに感動しています。

お餅はお正月だけじゃない!一年中美味しいお餅のおすすめレシピ


常備したい、コアラファームさんのお餅たち
-年末はお餅が売れると思うのですが、それ以外に「意外に売れる」時期はありますか?
年末はやはり一番売れますが、皆さんそこで買いだめしてくださるので、年明けて10日くらいまでは売れません。ですので、年明け1週間~10日くらいまでお休みをいただいています。唯一の長いお休みです。その後はまたしばらく売れますが、2月になって春が近づいてくると、少し落ち着きます。真空パックの商品になりますが、夏も比較的動きがあります。「焼くだけで楽」「ご飯の代わりになる」といった理由で、特に年配の方を中心に利用していただいているようです。

-コアラファームさんのお米、お餅の美味しい食べ方を教えてください
まずお米は、普通に炊いてそのまま食べるのが一番おいしいです。土鍋で炊くと、特に風味が引き立ちます。ひのひかりやきぬむすめは、冷めてももちもち感と甘みが残るため、おにぎりやお弁当にとても向いています。

白餅は、定番の磯辺焼きやきな粉、雑煮などのほかに、おすすめなのが「ねぎ餅」です。ざく切りにした長ねぎをごま油をひいたフライパンで焼き、その上に餅を並べて、ねぎが焦げるくらいまで焼いた後、かつお節と醤油をかけます。これは結婚して小原家に来たときにおばあさんが作ってくれた食べ方で、とてもおいしいのでおすすめです。

玄米餅は、発芽直前まで水につけた玄米を使って作っているため、柔らかくて粒感があり、歯切れも良いのが特徴です。これもどう食べてもおいしいのですが、相性が良いのはオリーブオイルです。オリーブオイルで焼いた玄米餅に、醤油やにんにく・唐辛子・こしょうなどで味付けをしたペペロンチーノ風の食べ方もおいしいです。

豆餅はほんのり塩味がついているので、焼いてそのままでもおいしいです。少し焦げ目がついて、中が少し膨らんだ頃が個人的に好きな焼き加減です。

ペペロンチーノ風で。油でサクッと焼けた部分が香ばしい!玄米のプチプチ感がたまりません! 

ねぎ餅。焼いたネギと醤油との組み合わせが良い!

すこし塩気のある黒豆の入った豆餅はおしるこでいただきました

-先ほど夏にも売れるとおっしゃっていましたが、夏におすすめの食べ方はありますか?
夏におすすめの食べ方は、焼いたり電子レンジで温めたりした餅に、たっぷりの大根おろしを汁ごとのせ、醤油や麺つゆなどでいただく方法です。お好みでツナや大葉を乗せて食べるのもおいしいです。電子レンジを活用すれば火を使わずに作れるうえ、さっぱり食べられるので、夏のわが家の定番になっています。

大根おろしでさっぱり!夏もどんどんいけちゃいそうです

お米に無駄なところはなし!「ぬか」を活用した商品もあります


-米ぬかカイロについて教えてもらえますか?
米ぬかカイロは、米農家で出る大量の「ぬか」を有効活用したいという考えから生まれました。外袋と中袋の二重構造で、中袋には米ぬか・玄米・塩・唐辛子が入っており、香りづけにラベンダーを加えています。電子レンジで1分~1分20秒ほど温めて、首や目、お腹などに当てて使う、繰り返し使えるカイロです。夏は冷やして使うと気持ち良く、一年中使える商品です。中の米ぬかが硬くなったり劣化したりするまで、通常3~4年は使えます。布袋の縫製は、ご近所でハンドメイドを得意とする方にお願いして作ってもらっています。

-コアラファームさんのお米はどこで味わえますか?また購入できますか?
いくつかの飲食店にお米を卸しています。岡山県内のカレー屋さんやおしゃれなカフェにも卸しており、おすすめです。お米もお餅もネット販売していますが、朝ついたお餅は岡山市と倉敷市の産直やスーパーに、その日のうちに卸しています。

-最後に、おかやま農業女子のメンバーで、紹介したい方はいらっしゃいますか?
そうですね、たくさんいらっしゃいます。先ほども少し触れましたが、岡山は桃やブドウが本当においしいです。作られている方はとても多いのですが、総社市でとってもおいしいブドウを作られている方がいて、あれは魂が込められているように感じます。他にも、さまざまな品種を作っている桃農家さんや、ブルーベリー狩りが楽しめるブルーベリー農家さんなど、紹介したい農家さんはたくさんいます!

-小原さん、ありがとうございました!

コアラファームHP

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