こんにちは、うなちゃんです!
先日ご紹介した岡山の農産物直売所「サウスヴィレッジ」。その一角には「おかやま農業女子」のコーナーがずらりと並び、現地のメンバーもとても気になっている様子でした。「おかやま農業女子」って何?どんな人たちがメンバーなの?気になって調べてみると、ひょんなことからお話を聞く機会に恵まれました。今回は、こだわりの卵を作る「卵娘庵」の藤井さんに伺ったお話を紹介します!
まずは「おかやま農業女子」って?
おかやま農業女子は、農林水産省が進める農業女子PJの地域版第1号として発足しました。農家の跡取り娘、お嫁さん、新規就農者など、前向きに農業に携わるネットワークです。農業をもっと明るく、楽しく、儲かるものにするために、毎日自分らしく頑張っています。
定期的に各種イベントに参加したり、アウトドアメーカーやディーラーなどとコラボしたり、時には、同じ志の活動をしている異業種の女性グループとの企画を立ち上げたり、女性目線のさまざまなアクションを通して、新しい農業を開拓しています。
ーおかやま農業女子HPよりー
卵娘庵(らんこあん)の藤井さんにお話を聞いてみました!
継ぐつもりはなかったのだけど・・・笑
今回お話を伺ったのは、株式会社卵娘庵の代表取締役・藤井美佐さん。
卵娘庵の卵は、山間の澄んだ空気や小田川のせせらぎに囲まれた環境で、すくすく育った母鶏が産む有精卵です。クセがなく、卵本来の美味しさに満ちています。卵娘庵では、その美味しい卵や卵を使った加工品も作っています。
母がストレスフリーだと、いいコに育つ!?深い!
━農業をはじめられたきっかけって何ですか?
藤井さんが農業を始めたきっかけは、夫の実家が卵屋だったこと。継ぐつもりはなかったのに、「誰が継ぐの?」という話になって……。もともとは京都のホテルで働いていましたが、卵屋を手伝うようになり、今に至ります。
ー卵娘庵さんの卵の特徴を教えてください!
歩き回ったり、飛び回ったり、砂遊びしたり!
私たちの会社では鶏を「平地平飼い」で育てています。毎日走り回ったり、飛んだり、砂遊びや日向ぼっこをしたりと、自然に近い環境で育つため、通常の卵に比べて臭みがなく、黄身は濃厚で、白身には弾力と甘みがあります。特に「白身が美味しい」とよく褒められるんです。臭みがなく、ヘルシーで美味しい卵として定評があります。白身だけでプリンを作ることもあり、「白身は臭みがあって加工品には向かないよ」とケーキ屋さんに言われたのですが、うちの卵の白身は甘みがあって雑味もなく、納得のプリンになりました。それほど美味しい卵なんです!
-白身だけのプリン!気になります!他にはどんな加工品を作られているのですか?
加工品はプリンのほか、卵せんべい、卵ぼうろ、カステーラなどを作っています。そのほか、親鶏の炭火焼き鳥やわんちゃん用のおやつシリーズもありますよ!
噂の白身だけのプリン&黄身だけのプリン 2層になったハイブリッドプリンというのもあるのだそう!
-わんちゃんのおやつ・・・なんとも贅沢な!
加工品を作る上で特に気を付けていることはありますか?
孫が生まれたときに、『孫にも安心して食べさせられるもの』を第一に考えました。お嫁ちゃんの許可が出るように、なるべく無添加で安心して食べられる、体にいいものを意識して作っています。
-卵娘庵さんの卵の美味しい食べ方を教えてください!
卵かけご飯、美味しそう~!
それはもう卵かけご飯!・・・って言いたいところですが、実は「温泉卵」が美味しいんです。ご自宅で作るのはちょっと難しいかもしれませんけどね。たとえば目玉焼きを作る時に、黄身が少しオレンジ色に残るくらいの焼き加減にしてもらうと、黄身の甘みがグッと引き立ち、白身のプリプリ感もわかるので、ぜひ試してみてください。温泉卵の卵かけご飯も美味しいですよ!
-卵に「旬」ってあるんですか?
旬ですか?実はあります!一応旬と言われているのが「大寒」といって、一年で一番寒い時期です。1年で1番寒い時期に産んだ卵は栄養価があると言われてますので「旬は大寒!」と言っています。まあ、一年中美味しいんですけどね!
-卵の保存方法のコツはありますか?
卵って、とんがっている方と丸い方がありますよね。この、とんがっている方を下にして保存をしてください。丸い方にはガスが貯まるところがあって、そこを上に向けて保存すると日持ちがちょっと変わってきます。
やりがいを感じるのはお客様の「おいしい!」をいただいた時!
-安心して食べられるもの・・・シンプルだけど難しいですよね・・・。
口に入れるものを作るというのは難しいことばかりかとは思いますが
農業をやっていて、やりがいを感じる瞬間を教えてください
お客様から「おいしい」と言っていただけたとき、とても嬉しいです!
-一番大変だったことを教えてください
「ずっと大変だったけど・・・」 笑顔の裏にはたくさんの「大変」が・・・!
大変だったこと……。まあ、ずっと大変なんですけどね(笑)。そうですね、夫の実家が営んでいた会社を、農業の素人だった私が継いだので、経営のことも何も知らないまま「思い」だけで継いでしまった、というのが大変でした。
-お休みもないですよね?
まあ鶏がいますのでね、24時間営業ではあると思いますけど、スタッフさんたちもいるので休みが全くないわけではないですよ。
-今後はどんな農業をしていきたいですか?
自分が年を重ねるにつれて、事業承継について考えるようになりました。私には息子が2人いますが、今はそれぞれ別の仕事をしています。だからこそ、「継ぎたい」と思ってもらえるような、誰かが「やりたい」と思える形の農業経営にしたいと考えています。
-消費者にメッセージがあればお願いします
全国の約90%がケージ飼いですが、平飼いはまだ10%にも満たないんです。けれど、私たちは「鶏ファースト」で取り組んでいます。卵工場のように効率だけを求めて大量生産するのではなく、「鶏が産んだ恵み」としての卵を、一人でも多くの方に届けたいと思っています。
卵は「物価の優等生」と言われ、それほど高くない商品です。卵娘庵のたまごは値段はスーパーで売られているものより高いけれど、美味しく、アミノ酸スコア100のとても栄養価が高い食品でもあります。だからこそ、値段や色だけで判断せず、ぜひ卵娘庵の卵を選んでいただきたいです!
終始笑顔で対応してくださった藤井さん。ありがとうございました!
おかやま農業女子のメンバーと岡山を盛り上げたい!
-最後に、「おかやま農業女子」についてお聞きします。今後どういう活動をしていきたいですか?
農水省の『農業女子プロジェクト』という取り組みがあるのですが、今は全国でメンバーが1,000人を超えるくらいになっています。その地域版の第一号として立ち上がったのが「おかやま農業女子」なんです。
全国的な農業女子プロジェクトは東京での活動が多いのですが、地域で活動できる地域版ができたことで、一人でも多くの農業に関わる女性が集まり、マルシェに行ったり勉強会をしたり、時には愚痴を言い合ったりできる会になればと思っています。
最初はこちらから声をかけてメンバーを集めていましたが、今では「入りたい」という方や、既存メンバーがお誘いして集まってくれる組織になっています。『私は農業をしているけれど入れないのでは……?』という心配は要りません。入会は無料なので(笑)、ぜひ気軽にお問い合わせいただき、みんなで岡山を盛り上げていきましょう!
おかやま農業女子
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