漁も料理も宴も楽しめる海の小屋=「四ツ手網」
四ツ手網って何?
岡山市中心部から車で30分くらい南下したところに児島湾という海がある。その児島湾には「四ツ手網(よつであみ)」という「海に張り出した網付きの小屋」が連なっているスポットがある。説明するよりは、下の写真を見てもらうのが早いだろう。
こんな感じ。大きな網のついた海に張り出した小屋。これが「四ツ手網」。
何をする小屋かは、もうお分かりだろう。この大きな網で獲れた魚を、小屋の中ですぐ料理して、捕れたての魚を食べて(お酒も飲んだりして)一晩中ワイワイするための小屋なのだ。最高じゃないか。
今回は、会社の仲間たちと四ツ手網パーティーをしようということになった。(実は、四ツ手網があるところは、会社から車で5分くらい。)
しかし、
買い出しを終えたメンズ先発隊、いざ四ツ手網の小屋に入ったとたん焦りが滲んだ…。
今回は女性社員も参加するのだが、小屋の中のクリーンレベルが女性を迎え入れることができるだけのそれではなかったのだ。
なので、まさかの掃除からスタート。
(※全ての四ツ手網小屋がそうではありません。たまたまです。)
とりあえずメンズ先発隊で掃除。掃除機もかけたり、拭いたり、洗ったりで、結果、とてもきれいになった。持ち主が見たら感謝状を贈られるレベルだ。
本番が始まる前にすでに疲れているメンズ先発隊。おそうじ、お疲れ様でした。
いよいよ四ツ手網漁スタート
さて、いよいよ四ツ手網で獲物を獲る。季節によっていろんな魚が獲れる。ハゼ、チヌ、スズキ、アナゴ、エビから、運が良ければ、希少な青ウナギや良型のヒラメも獲れることがあるらしい。
ちなみに僕たちが行った春(4月ごろ)は「ベイカ」が旬。イカ好きの私にはたまらない。もう一度言う。最高じゃないか。
四ツ手網漁は、いたってシンプル。
中にあるスイッチで四ツ手網を水の中に沈める → しばらく待つ → スイッチを押して四ツ手網を引き上げる → 捕れた魚をタモ網ですくう
待っている間は、捕れた魚を料理したり、獲れたての魚をつまみに酒を飲んだりして楽しんでおけばいい、最高のシステムだ。
スイッチひとつで網が上下する。今回の「ベイカ」はエサは一切不要。集魚灯に勝手にベイカが集まってくる。
さて、とりあえずビールで喉を潤して、1回目の引き上げ。捕れてるかな・・・
おっ!何やらいろいろ捕れてる捕れてる!(分かりにくくて申し訳ないが、黒っぽいのは藻かハゼで、白くぼやっと光っている点がべイカ)
タモ網で捕れたベイカをすくう。これが最初は結構難しいのだが慣れたら楽しい。
おおーっ!捕れた!お目当てのベイカとハゼ、エビ。
とりあえず、早くこれを料理して、つまみにしたい。うん、そうしよう。
早く料理して食べたい。
捕れたてのベイカで料理をつくる
ベイカは塩で少し揉んで洗えば、下処理もいらない。あとは、茹でたり煮たり焼いたり楽しく料理して、おいしくいただくのみ。
会社の仲間たちも仕事が終わって続々と集まってきた。みんなのお腹もペコペコだ。
まずは、ベイカそのものの旨さを味わうために、シンプルに茹でイカといこう。
見よ、このハリのあるボディを。
シンプルに醤油だけでいただく。
そのお味は・・・
う、うまい・・・うますぎる。
それもそう、お湯に入れられる直前まで海で泳いでいたべイカなのだ。うまいに決まっている。これぞ、四ツ手網の醍醐味。
ここで、メンバーの一人がこんなものを持ってきた。そんなもの持ってきたら、もっと楽しくなってしまうじゃないか・・・
絶対おいしいやつ。
女性メンバーも重たいタモ網で果敢にベイカをすくう。どんどん捕って、どんどん料理して、どんどん食べよう!
重たいタモ網を使ってベイカを捕りまくるメンバー達。
「次は僕たちが煮つけ作ります!」と、若手の二人が名乗り出てくれた。料理はほとんどしたことがないらしい。「とりあえず勘を頼りに作ってみます!」
なんと頼もしい。何事もチャレンジが大切なのだ。
「先輩、煮つけとか作ったことあるんですか?」「いや、ないよ。なんとかなるでしょ。」という会話が聞こえてきつつも、出来上がったベイカの煮つけ。
これがまた、最高にうまい!!やるじゃないか!
料理は続く。
ベイカとエビのアヒージョ。もうそのおいしさを説明する言葉が見当たらない。
この後も、ベイカのトマトソース煮込みや、ついでに網にかかった大量の(何かの)小魚を天ぷらにしたり、誰かが料理しては食べて、笑って、楽しい宴は続いた。
四ツ手網で迎える朝
小屋に泊まることができるのも四ツ手網のいいところだ。お酒を飲んだ男性メンバーは小屋でぐっすり寝た。
ぐっすり眠るメンバー。まだ4月ということもあって、かなり寒かった。
小屋から朝の海を望む。さざ波の音が気持ちがいい。
管理人(持ち主)のおじさんが「昼くらいまでゆっくりしていいよー」と言ってくれたので、昼頃まで釣りをしたりぼーっとしたりて帰った。
今回は春のベイカだったけど、次は違う季節に行って、いろんな旬の魚で楽しんでみたいと思った。冬はコタツ完備のところもあるらしく、鍋パーティーもできる。
ちなみに、この児島湾のような四ツ手網をまだやっているところは全国でも数が少なくなり珍しい存在になっているらしい。
捕れたての食材をすぐ料理して、食べて、みんなでワイワイ楽しめる四ツ手網、これからもずっとあってほしい。
四ツ手網のことがもっと知りたい方のためにリンクを貼っておきます。ベイカ、ほんとにうまかった。
【岡山観光WEB】公益社団法人 岡山県観光連盟
https://www.okayama-kanko.jp/spot/10170